現場改善研究所の紹介

いよいよオリンピックイヤーですね。
チケットはゲットできましたか?

さて今日は当社ではなく、友人の松本博史さんが代表を務める「現場改善研究所」の紹介です。

ソニーでの現場改善の実績~付加価値分析改善~

松本さんは、昨年、長年にわたってソニーの半導体工場で培った「現場改善」のノウハウを広めくべく、「現場改善研究所」を設立しました。
単に“無駄を省く”といった改善ではなく、「付加価値/非付加価値」の概念・視点を身につけることによって、現場が自立して「真に付加価値のあること」を見出せるようになるというもので、「気づき」と「納得」を重視しているそうです。

間接部門・非製造業にも

また、製造業の製造現場だけでなく、間接部門や、非製造業にも応用は可能だそうです。
月二回の訪問指導をベースとして、社員の皆さんが自力自走できるように社内先生を育成し、永続的な活動を目指すものとなっています。

真の働き方改革へ

中小企業ではいよいよ4月から働き方改革関連法により、残業時間規定が適用となります。短期的には「とにかく早く帰れ!」と声をかけるしかない現場もあるかもしれませんが、真の労働時間短縮の実現にも、松本さんの現場改善が大きく役に立つはずです。
ぜひ「現場改善研究所」にお問合せください!

熊本地震を経験

ちなみに、松本さんは2016年の熊本地震をソニー熊本工場総務部長として経験し、県内工場の中でも最速の復旧を実現した経験をお持ちです。その観点でのお話も聴けると思います!

現場改善研究所 genbakaizen.labo@gmail.com

現場改善研究所
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現場改善研究所
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「感染症対応力向上プロジェクト」続報

こんにちは。
久しぶりの投稿になってしまいました。もうすっかり秋が深まってきました。みなさま、どのようにお過ごしでしょうか?

「感染症対応力向上プロジェクト」に取り組みました!

さて、前回ご紹介した、東京都が東京商工会議所及び東京都医師会と連携して企業の感染症対策を支援する「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」(注)に参画し、3つのコースのうち、以下のコース1とコース3について対応を完了し、この度、達成確認書をいただきました。

コース1

感染症理解のための従業者研修
- 感染症の基礎知識ドリル(研修教材)を提供し、正しい知識の定着を図る。

コース3

風しん予防対策の推進
- 予防接種等協力医療機関を紹介し、従業者の抗体(免疫)保有の確認や予防接種の推奨等を促し、職場ぐるみで風しん予防を図る。

※コースの概要は、東京都福祉保健局のホームページ(注)をもとに作成

感染症対応力向上PT
感染症対応力向上PT達成確認書

特定健康診査も!

ところで、中小企業のみなさま、特定健康診査の受診は進んでいるでしょうか?
弊社はもちろん受診完了しました。

(注)東京都福祉保健局ホームページ
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/project/project-start.html

(了)

「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」に参加しました

こんにちは。
今年の夏を、どのようにお過ごしになったでしょうか?

夏といえば、楽しいことばかりではなく、台風等の自然災害のほか、食中毒や海外渡航に伴う感染症などにも注意が必要ですね。

さて、感染症として思い出されるのが、平成24年から25年にかけての大規模な風しんの流行です。このときは、子どもではなく大人の罹患が多い傾向がありました。このような感染症が職場で蔓延すると、特に中小企業のように人数の少ない企業では、企業活動そのものにも支障が出てしまいます。

感染症対応力向上プロジェクト

そのような背景のもと、東京都が、東京商工会議所及び東京都医師会と連携し、企業の感染症対策を支援するプロジェクトを、平成27年度から展開しています。これが今回のタイトルにもある「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」です(注)。

このプロジェクトは以下の3コースで構成されています。

コース1

感染症理解のための従業者研修
- 感染症の基礎知識ドリル(研修教材)を提供し、正しい知識の定着を図る。

コース2

感染症BCP(業務継続計画)の作成
- BCPのひな形を提供し、職場で感染症患者が発生した場合に、業務を円滑に継続するための対処策の作成を図る。

コース3

風しん予防対策の推進
- 予防接種等協力医療機関を紹介し、従業者の抗体(免疫)保有の確認や予防接種の推奨等を促し、職場ぐるみで風しん予防を図る。

※コースの概要は、東京都福祉保健局のホームページ(注)をもとに作成

延べ700社近くの企業が参加

中小企業というより零細企業である当社としても、日常生活にも役立つ感染症に対する知識の習得や正しい対処法の理解などを目的として、このプロジェクトに参加しました。
今日現在で確認できる情報として、各コースへの参加企業数は、コース1が348、コース2が230、コース3が98となっており、大企業も中小企業も参加しています(注)。

1つのコースから参加できる

参加は1つのコースからでも可能で、参加するとプロジェクト協力企業として東京都福祉保健局のホームページに社名が掲載されますので、特に中小企業の方々には参加をお勧めします。中小企業診断士などの方々も、関係先にお勧めしてみてはいかがでしょうか。

なお、このプロジェクトの事務局は、東京商工会議所となっています(注)。

(注)東京都福祉保健局ホームページ
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/project/project-start.html

(了)

《働き方改革》ビジネスチャンスをつかもう!

こんにちは。
オリンピック開催まで1年を切りました。もちろん楽しみですが、東京の交通事情がどうなるのか、現実的な心配をしてしまう今日この頃です。

働き方改革の目的は?

その目的は、一義的には、やはり単位時間当たり労働生産性の向上であるといえるでしょう。
前回の投稿でも示したように、社会全体として、増え続ける人口を背景として「時間をかける」ということに、やや無頓着だったかもしれません。
次に、そうした一義的な目的を超えた、もっと先を見通した目的とは何でしょうか。これは各社の事情によって様々であってかまいませんが、4月17日に投稿したように、「ブランディング」と「稼げるビジネスモデルの構築」の方向性があると思います。簡単に言えば、もっと稼ぐため、新しいビジネスの創出・獲得のため、と考えてもいいでしょう。
働き方改革によって総労働時間が2割削減できたとして、そうした目的のためには、新たな時間を割いてもいいのではないか、とも考えられるでしょう。

例えば、インバウンド関連ビジネス

訪日外国人観光のことをインバウンドといい、かなり一般にも浸透してきている単語になったと思います。そうしたインバウンドに関連するビジネスとしては、大都市圏における中国人客を中心とする「爆買い」や、京都、奈良といった日本の古い歴史に関係する観光地が連想されやすいですが、それだけではなく、交通機関、宿泊施設、飲食店、小売店、IT業界など、様々な業界にとって、インバウンドは「外国人対応」という重要な課題となっていると同時に、新たな収益源としてとらえられています。
この新たな収益源という点に関連して、「訪日外国人旅行者による消費総額」が観光庁から公表されています。
これがどのくらいの金額なのかというと、

2011年=>0.8兆円
2012年=>1.1兆円
2013年=>1.4兆円
2014年=>2.0兆円
2015年=>3.5兆円
2016年=>3.7兆円
2017年=>4.4兆円
2018年=>4.5兆円
2020年の政府目標=>8.0兆円
2030年の政府目標=>15.0兆円

(※)訪日外国人消費動向調査より

どうでしょうか。デフレとか、人口減少とか、伸びない消費とか、暗い話題が多い国内経済ですが、10年足らずの間に、すでに5倍以上の伸びを示しています。
来年のオリンピック開催を考えれば、ますます、インバウンド関連ビジネスが着目され、かつ、国内経済における位置づけが重要視されてくるのは間違いないでしょう。

観光地だけではない影響範囲

すでに、印刷物、看板、飲食店のメニューなどでは多言語表記が増えています。ある地方では、外国人旅行者を呼び込むための検討を、外国人留学生とともに進めています。パッケージ製造や包装の業界でも、外国人に開けやすいパッケージや、好まれるカラーや絵柄の検討など、これまでにない取り組みをしている会社もあります。
小売店では、〇〇payのような支払い方法が可能な店舗が増えています。
つまり、新しいビジネスチャンスをつかむには、これまでにないアイディアも必要であり、それを検討したり、試したりする時間も必要になります。もちろん、新たなコストが必要な場合もあります。
そうした時間やコストを創出するための「働き方改革」をし、新たなビジネスチャンスをつかみましょう!

(参考資料)
観光庁
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

(了)

《働き方改革》大きな視野でワーク・ライフバランスを!

こんにちは。
夏本番が近づいている時期なのに、ぐずついた天気の日が続いています。いかがお過ごしでしょうか。

日本の労働生産性が低いのは事務管理過多だから?

コンプライアンスとかリスクマネジメントとか内部統制、よく聞きます。特に、1990年代半ば以降の金融業界での不祥事や、その他の粉飾決算や巨額損失事件等があるたびに、そうした仕組みが強化された企業が多いと思います。もしかしたら、日本における労働生産性の低さの原因は、そうした「管理のための事務作業が多いから」という側面があるのかもしれません。
では、まだそれほど内部統制について厳しく言われていなかった1980年代以前は、時間当たり労働生産性が高かったのでしょうか?

1970年代から1990年代の労働生産性

OECD加盟国における日本の労働生産性順位を見てみましょう。

70年、75年、80年は19位
85年、86年は21位
87年~90年は20位
91年は19位
92年~94年は20位
95年、96年は21位
97年は20位
98年は21位
99年は20位

(参考資料)公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2018」(2018年12月19日)、p.8(図9)

 

景気が良かった時代、経済成長率が高かった時代でも、日本の時間当たり労働生産性は20位前後でした。ちなみに2000年~2017年も、ずっと20位です。
一方、例えばアメリカは、2013年以降は6位、7位の年次もありますが、1985年以降はほとんどの年次で4位か5位となっています。

単にがむしゃらなだけだった? -24時間〇〇ますか?-

今となってはだいぶ昔のことになってしまったバブル成長の時代、80年代から90年か91年頃に向けて、日本はそれ以前からの人口増大期にあり、すでに高齢者人口が増えつつあることは知られていましたが、それでも豊富な生産年齢人口に支えられ、昨今のような「人手不足」「人口減少」はそれほど現実の問題とは認識されていませんでした。

年齢階層別の人口推移
年齢階層別の人口推移
(注)2010年までは総務省「第六十五回日本統計年鑑 平成28年」のp.54(第2-8表)、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)報告書」(平成29年7月)をもとに作成。

 

おそらく、80年代~90年代中頃までは、減ることのない「人手」をバックに、「人を集めてみんなでガンガン働く」がビジネスの王道だったのでしょう。大企業を中心に、「人なんかいくらでもなんとかなる」「一人いなくっても、代わりの要員はいくらでもいる」といった声も、社内ではあったのではないでしょうか。

短期的視野の働き方改革ではなく真のワークライフバランスを

さて、過去の話はそのへんとして、これから先、そう簡単には人口は増えません。人間の頭数をアテにした人手は増えません。だからこそ、生産性向上なのですが、やはり、日常消費行動を中心とする足元の社会経済の基盤は国内人口であることには間違いはないでしょう。
人それぞれのライフスタイルを尊重しつつ、経済だけではなく社会全体の成長を実現させるための「ワークライフバランス」を推進したいものです。

(了)

《働き方改革》覚醒時間の仕事への影響

こんにちは。
働き方改革関連法が施行されて、早くも第一四半期が終わろうとしています。みなさんの会社ではどのような「働き方改革」が進んでいるでしょうか。

残業は夜8時まで?

よく、「残業は夜8時まで」「夜8時になったら強制的にオフィスを消灯」といった話を聞きます。特に、今年4月以降はその掛け声が大きいのではないでしょうか。
では、なぜ「夜8時」なのでしょうか。月当たりの残業時間の上限(規制)からすると、確かにそれくらいの時刻には帰るようにしないと、月間での残業時間が上限を超えそうになるからといえます。しかし、それ以上に、ある実験に基づくと、科学的根拠があるといえそうです。

健康づくりのための睡眠指針2014

厚生労働省健康局の「健康づくりのための睡眠指針2014」(平成26年3月)を見てみました。そのp.22の11行目の最後の方から、「朝8時から持続的に1日以上徹夜で覚醒させた介入研究では、認知・精神運動作業能力は、夜中の3時(17 時間覚醒)で血中のアルコール濃度が0.05%(日本では0.03%以上で酒気帯び運転)の時と同程度に低下し、翌朝8時(24時間覚醒)にはさらに血中アルコール濃度0.1%(およそビール大瓶1本飲用に相当)の時と同程度に低下することが示されている」とあります。
また、p.43の第1段落に「睡眠不足は,疲労や心身の健康リスクを上げるだけでなく、作業能率を低下させ、・・(略)・・起床後12~13時間が限界であり、起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下することが示されている」とあります。
つまり、覚醒時間がある程度以上になると、作業の正確性や効率性が、アルコールを摂取した状態と似たような傾向で低下するということです。

チェック作業などは夜8時まで

朝7時起床なら、13時間後は夜8時、15時間後は夜10時。正確な仕事が期待できるのは夜8時時まで、夜10時を超えると効率低下やミスが生じやすくなるということですね。だから夜8時までに仕事を終えて帰ろうということには科学的根拠があるといえそうです。特に、入力作業、確認作業、チェック作業、計算・検算作業、デバッグ作業などは危険ですね。
一方、個人的な見解ですが、クリエイティブな仕事、頭に浮かんだことをアウトプットする仕事では、ある程度の勢いやヒラメキも必要なので、その場合は夜8時にこだわらず一気にやりきることもよいのではないかと思います。ただし、その成果の“確認”や“チェック”は、翌日に改めた方がいいでしょう。

(参考資料)
厚生労働省健康局「健康づくりのための睡眠指針2014」(平成26年3月)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

(了)

《予告》Facebookページ準備中!

こんにちは。

これまで記事投稿をこのホームページ上だけで行ってきましたが、近日中にFacebookでも当社のページを立ち上げる予定です。
名前はそのまま「株式会社パノーファス」とする予定です。
記事形式ではない、思いついた「つぶやき」はそちらの方が充実すると思うので、Facebookページもよろしくお願いします!

《働き方改革》労働生産性と幸福度

こんにちは。
今年の3か月予報では、6月の雨は平年より少なめということですが、あまり雨が降らないと、それによって困る業界・産業もありますね。悩ましいところです。

日本の労働生産性の国際順位は?

さて、「OECD加盟諸国の時間当たり労働生産性」(※1)という資料があります。これによると日本の順位は20位。20位までの国々は以下の通りです。先進7か国の中では最下位です。

1 アイルランド
2 ルクセンブルク
3 ノルウェー
4 ベルギー
5 デンマーク
6 アメリカ
7 ドイツ
8 オランダ
9 スイス
10 フランス
11 オーストリア
12 スウェーデン
13 アイスランド
14 フィンランド
15 オーストラリア
16 イタリア
17 スペイン
18 カナダ
19 イギリス
20 日本

日本の幸福度は?

この上位20か国について、今年3月20日に公表された、それぞれの国の世界幸福度ランキング(※2)の順位を当てはめてみたところ、こんな散布図になりました。

労働生産性と幸福度
OECD加盟諸国の時間当たり労働生産性と幸福度のランキング

右上ほど、どちらのランキングも高いのですが、その位置的なこともさることながら、日本がポツンとしていることに、どこか寂しさが。

この幸福度ランキングは、各国国民に対するアンケート調査をもとにスコアリングしており、定量的な客観データをもとにしていない点でアテにならないという意見もありますが、アンケート調査だからこそ、その国民が漠然と感じている”幸福度に対する感覚”が素直に出ているという見方もできそうです。

今、日本では、働き方改革で労働生産性を上げようという取り組みをしているところですが、本当の業務改善・業務改革がないままの、単なる残業抑制、早帰りの強制のための働き方改革を進めるならば、もっと幸福度は下がるのかも知れませんね。
やはり、ワークライフバランスについて、労使で真剣に合意・協調して進める必要があるでしょう。

※1:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2018」、p.8(図8)
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/
時間当たり労働生産性=GDP/(就業者数x労働時間)
※2:「World Happiness Report」(国連の関連団体である持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN))によるもの)
https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2019/WHR19.pdf

(了)

《ワーク・ライフバランス》出生率と女性の社会進出

こんにちは。
オリンピックチケットの抽選申込が話題となった5月も終わり、いよいよ梅雨入りシーズンですね。

出生率と女性の社会進出

さて、本日の話題。
「子供が生まれるといろいろおカネがかかるから、共働きしたい(している)」
よくあることですね。
「共働きしたいけど、それができる環境にないので、なかなか子供は・・・」
これも、よくあることだと思います。

日本でいえば昭和40年代、要するに1970年頃までは、女性が仕事に就くという社会進出はまだ少数派で、女性の労働力率は低い傾向にありました。
しかし、そもそもその背景には、女性の社会進出に対する様々な差別があったのも事実であり、国際的に「女性解放運動」、同時でいうウーマンリブが起こり、日本でも1970年11月に第1回ウーマンリブ大会が開催され、その後の男女雇用機会均等法の制定に影響を及ぼしたといわれます。
それからやや遅れて、いわゆる「少子化」が社会テーマとなってきました。社会、個人、各家庭のライフスタイルの多様化が進んだことが背景ではありますが、「女性の社会進出が少子化を助長している」という“見方”が存在するのも事実でしょう。

出生率と女性労働力率の相関

では、女性の労働力率が高くなることと出生率が低下することには相関があるのでしょうか。
以下2つの散布図は、1970年、2000年における女性労働力率と合計特殊出生率の関係を示したものです。

出生率と女性の労働力率の相関(1970年)
出生率と女性の労働力率の相関(1970年)
出生率と女性の労働力率の相関(2000年)
出生率と女性の労働力率の相関(2000年)
(注)散布図は、内閣府「平成18年男女共同参画白書」、p.69(第1-3-8図)をもとに当社で作図しなおしたもの

 

いかがでしょうか。「女性の労働力率が高くなることと出生率が低下する」という(負の)相関は、1970年では成立しているようですが、2000年では労働力率も出生率も高くなるという正の相関がみられます。子育てしていても働きやすい環境が整備されると、労働力率と出生率の双方が高まるのではないか、といえそうです。
ちなみに、図中の赤い丸は日本です。さあ、この現状をどう見ますか?

(労働力率)
労働力率=労働力人口÷15歳以上人口×100
労働力人口=就業者数+完全失業者数
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2000/guide/3-04.html

(参考)
内閣府「平成18年男女共同参画白書」、p.69(第1-3-8図)
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h18/web/index.html

(了)

3つのループ ~社会、個人、会社~

こんにちは。
1か月ぶりの更新になってしまいました。

働き方改革関連法が今年4月に施行となり、企業にとっては、「働き方改革」による長時間労働の抑制・生産性向上を中心として、従業員の健康に配慮すべきことの責任が増してきたといえるでしょう。それと同時に、今後は「ワーク・ライフバランス」について本格的に推進すべき段階が来たといえます。また、従業員の健康といえば「健康経営」への取り組みも忘れてはなりません。
今日は、個別に対応しがちなこれらの取組・言葉の関係性について考えてみます。

「働き方改革」といえば、「働き方」の改革(少なくとも見直し、改善等)をし、仕事の生産性向上を目指すものと考えてよいでしょう。「ワーク・ライフバランス」というと、仕事と私用、つまり公私の時間的均衡を図るものと考えている人も多いようです。しかしこれは少し違います。「ワーク・ライフバランス」とは、「仕事と生活の調和」を図るものと定義されおり、必ずしも時間という定量的な視点での均衡とは関係ありません。
では、この「調和」を図ることがどのような意味を持つのでしょうか。現実的には、生活、即ち仕事以外の全般についても過不足なく必要なことができることでしょうが、理想的には、性・年齢に応じた多様かつ適正な働き方ができ、自己啓発や健康増進、家族と向き合う時間を増やすこと等を通じて、仕事も生活も一層充実した日々を送ることができるようなことでしょう。
つまり、「ワーク・ライフバランス」は会社にとっても従業員にとっても理念的な位置づけであり、「働き方改革」は、それを実現する重要な構成要素としてとらえられるでしょう。

さて、もう一つのキーワード「健康経営」は、簡単に言うと、「戦略的に、従業員の健康に配慮した経営手法」ということであり、「健康企業宣言」「健康経営優良法人」等の言葉も聞いたことがあると思います。

ここまで簡単に「働き方改革」「ワーク・ライフバランス」「健康経営」の意味合いについて述べましたが、それらはどのような関わり合いを持ち、社会、従業員(個人)、会社(企業)にとってどのような関係性があるのか整理してみました。結論だけいうと、「ワーク・ライフバランス」「働き方改革」「健康経営」を三位一体で取り組むことで、社会・個人・会社の3つのループを回し、相互に成長させるということです。

ワークライフバランス、働き方改革、健康経営
ワークライフバランス、働き方改革、健康経営による成長ループ
ワークライフバランス、働き方改革、健康経営、関係
ワークライフバランス、働き方改革、健康経営の関係性

実は、根底にある背景は、超少子高齢化社会、人口減少、社会保障費の増加であり、逆に、少子化対策、女性参画を中心とする労働力確保、個人の健康維持・増進、多様化社会に対応した経済活動といったところが、我が国としての目指す方向性と考えられます。
これらにより、20世紀の人口ボーナス期(人口増大期)型の社会経済活動から21世紀の人口オーナス期(人口非増大期)型の社会経済活動への転換を図ることが、日本社会全体の目的観と考えるべきでしょう。

(参考)
内閣府-「仕事と生活の調和」推進サイト
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/

(了)