《ワーク・ライフバランス》出生率と女性の社会進出

こんにちは。
オリンピックチケットの抽選申込が話題となった5月も終わり、いよいよ梅雨入りシーズンですね。

出生率と女性の社会進出

さて、本日の話題。
「子供が生まれるといろいろおカネがかかるから、共働きしたい(している)」
よくあることですね。
「共働きしたいけど、それができる環境にないので、なかなか子供は・・・」
これも、よくあることだと思います。

日本でいえば昭和40年代、要するに1970年頃までは、女性が仕事に就くという社会進出はまだ少数派で、女性の労働力率は低い傾向にありました。
しかし、そもそもその背景には、女性の社会進出に対する様々な差別があったのも事実であり、国際的に「女性解放運動」、同時でいうウーマンリブが起こり、日本でも1970年11月に第1回ウーマンリブ大会が開催され、その後の男女雇用機会均等法の制定に影響を及ぼしたといわれます。
それからやや遅れて、いわゆる「少子化」が社会テーマとなってきました。社会、個人、各家庭のライフスタイルの多様化が進んだことが背景ではありますが、「女性の社会進出が少子化を助長している」という“見方”が存在するのも事実でしょう。

出生率と女性労働力率の相関

では、女性の労働力率が高くなることと出生率が低下することには相関があるのでしょうか。
以下2つの散布図は、1970年、2000年における女性労働力率と合計特殊出生率の関係を示したものです。

出生率と女性の労働力率の相関(1970年)
出生率と女性の労働力率の相関(1970年)
出生率と女性の労働力率の相関(2000年)
出生率と女性の労働力率の相関(2000年)
(注)散布図は、内閣府「平成18年男女共同参画白書」、p.69(第1-3-8図)をもとに当社で作図しなおしたもの

 

いかがでしょうか。「女性の労働力率が高くなることと出生率が低下する」という(負の)相関は、1970年では成立しているようですが、2000年では労働力率も出生率も高くなるという正の相関がみられます。子育てしていても働きやすい環境が整備されると、労働力率と出生率の双方が高まるのではないか、といえそうです。
ちなみに、図中の赤い丸は日本です。さあ、この現状をどう見ますか?

(労働力率)
労働力率=労働力人口÷15歳以上人口×100
労働力人口=就業者数+完全失業者数
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2000/guide/3-04.html

(参考)
内閣府「平成18年男女共同参画白書」、p.69(第1-3-8図)
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h18/web/index.html

(了)

この記事が他の人にも役に立つと思ったらシェア! ※「いいね」だけでも歓迎(^^)